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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編


4年前の その時に

悲鳴嶼さんが 

もし 仮に彼の願いを聞き入れていて

三上透真の命をその場で絶って居たとして


鬼になりし 彼の方が

死ぬかどうか分からない


明らかでないのもまた 事実だ



一つの身体に二つの意思を持つ

鬼  その物に前例がないからな


彼等にもそれが 分からないから


鬼の彼も 彼を今も 殺せないでいる…のか?


元の身体の持ち主が
三上透真である以上は


鬼の彼にもそれは出来まい


身体にある脳の機能の大半を

彼等は共有してると
前にあげはが言っていたからな

あげはが言うにの話ではあるが

脳と呼ばれる部分には
様々な中枢が集まっており

生命の維持にも脳は
大きく関与していると…言う話だ


脳は思考をするだけの場所ではなく

心臓を動かす中枢

呼吸を制御する中枢

体温を保つ中枢…


更には…

血管運動中枢と言う
全身に血流を巡らせる

血圧を制御する
中枢もあるとか…言っていたか


他にも詳細を説明されたが

俺には理解も
記憶もしきれなかったが



鬼と成りても 恐らくは

これらの生命の維持機能は…必要なのだろう



鬼の身体を斬れば

その傷からは血が噴き出す…

それが何よりの証拠だ


心臓が拍動していなければ

こうはならないのだから…


鬼は死なないが

それらの生命維持の
機能は鬼にとっても必要だと


きっと これが答えなのだろう


鬼の彼も

彼には死んで貰いたくは無いのだ

彼が彼の中で 
人として在り続けているのなら

彼の死は 彼の脳の死 つまりは

彼にとっても 死を表すのだから


自分の命が危ぶまれる事を

彼の方とて

そう易々とは出来ないだろうからな


あくまでも憶測の範疇だが……


ああは言いはしたが…恐らくは


これが正しいのであれば…

4年前にそうして居れば……と


言う事に……やはり

なってしまう…のか…


悲鳴嶼さんが今までずっと

自分を責め続けている理由も


恐らくは そこなのだろうが




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