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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編



彼女の事は 

共に柱をしていたのだから

その性分の 心根のある所は

知っていて 理解はしていたつもりだった


仁科 あげはと言う人間は…


聞いて 後悔しか

しない様なそんな話でしか

ないであろう内容であったのにも


関わらずに


話を… 聞いて良かったと


言うのか



知らぬままで 居なくて良かったと


そう 言えてしまう…のか


それでいて ここに来て
それを知った上にあって…も

自分の事ではなく

私の心配をして来るのか……


嗚呼……


何という 


たおやかな…… それでいて


優しい… 強さなのだろう……


嗚呼……


 

「何と言う…事だ……、
南無阿弥陀仏。これを…何と、
言えばいいのだろうか…ッ
謝罪も感謝も……、
し尽くし得まい……ッ」


「謝罪も、感謝も必要ありませんよ?
悲鳴嶼さん。今まで…悲鳴嶼さんに
背負わせてしまって、
申し訳ありませんでした。
貴方の性格上、ご自身を
許しは出来ないでしょうけど。
決めたんです、
私と彼は…それを背負って
生きていくと決めたんです。だから…」

再び目頭を押さえて泣き出してしまった
悲鳴嶼にあげはが自分のハンカチを
そっと差し出して
自分の涙をそれで拭く様に促した

「悲鳴嶼さん、これを…
私の物で……、申し訳ないのですが……」

「かたじけない……」

「心配には及ぶまい。
悲鳴嶼さん。貴方の判断は正しかった。
貴方がそうしてくれたから……、
彼女が今、ここに居る…」

そう悲鳴嶼を励ますようにして
杏寿郎が言って来て
言葉を更に続けて行く

「彼の死が…鬼としての彼の死と
どこまで関連するのかも不確か。
彼が死んでも、もう一人の彼が
死ななければ?それも無きにしも非ずだ。
その可能性も否定できん以上…。
彼と言う抑止力を失った彼を…止めるのは
殊更、困難を極めるだろうからな!」




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