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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編



透真さんは

昔からそんな人だった


自分が犠牲になる事に

誰かの為に自分が
傷つく事を 厭わない人だった

そう それは誰かの為だけでなくて

生き物とか 虫とか

そんな物に対しても一緒だった

『命で在る事に、変わりないでしょ?』

って笑ってる様な

そんな人だった


彼は全てを

全てを…

終わらせようとしてくれてたんだ

私の知らない所で


ひとりで



「彼は、自分で死ぬ事すらも……、
叶わないと…。
自分で死を選べないから、
代わりに私に…、自分を殺して欲しいと」

悲鳴嶼が言葉を続ける




そうか…… 彼は

自らの意思で死を…選ぼうとしていたのか

己が鬼となる前に…

あげはを危険な目に合わせたくはないと

人である内に そうしたいと

そう思って居たの…か


自分の命を賭して…も

彼は彼女を あげはを 守りたかったんだ


彼は…… 恐らく

彼女から 離れがたいとそう

思って居たに……違いない

ずっと そばに居たいと

そう思っていただろう……に


共にある事も許されず

自らの死も許されず



それでも 彼女を……守りたいと

そう 思って居たのか…彼は


だとしたら……

彼が 望んでいる事は 恐らくであるが……


今 俺が彼について考えている事は

あくまでも 憶測でしかないが……

だが 俺なら 俺ならば どうするか

どう思うのか……そう考えると


彼が あげはに望んでいる事が


おのずと 見えて来て……しまって


彼の彼女への愛を…感じずには

居られない……


「三上…透真…」


杏寿郎がその名をぽつりと呟いた


果たして 俺は…

俺が彼の立場であったなら


俺は 彼と同じ事を 選んだだろうか?


選ぶ事が…


果たして 出来ただろうか……?


それは 俺に…出来る…のか


この世の誰よりも

側に居たいと願う 愛おしいと思う


その相手を……

自分ではない 他の誰かに託して


自分は 死を…選ぶ等…… 



俺に 出来ただろうか?



他でもない あげはの為に

それが… 出来るのか



彼がそう した様にして……








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