• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編




「来たか…」


閉じていた目を開いて
そう静かに悲鳴嶼が言った


「悲鳴嶼さん、ご無沙汰しております」


そうあげはが悲鳴嶼に挨拶をすると
悲鳴嶼の背中に向けて頭を下げる


「あげは。
そう、私に対して改まる必要はない。
確かに年齢はこちらが上だが……、
一年ではあるが、鬼殺隊への入隊も
君の方が先輩だ。柱となったのも…
君の方が先。故に、気遣いは無用。
それが、道理…だと言う物だろう」


その悲鳴嶼さんの言葉は

彼もまた あげはを柱として
尊敬していた……と捉えられる様な

そう思わせる様な言葉だった


「透真の一件がなければ…、
私の立場は君が担っていたと
そう、……考えている」

柱の中心となって皆を導く立場を
あげはが担っていてもおかしくは
なかったと言う 悲鳴嶼の言葉に


「彼の件を無かった事にするのなら、
私よりも、その役には
適任が…おりましたでしょうに」


あげはがそう返した


誰よりも 優れた剣の才覚を持ち

人望も厚く

皆に好かれて慕われていた

その柱の存在の事を


「彼が……元来であるならば。
透真がそれを続けるべきだったと、
私はずっと考えていた。
そして…、今のこの状況を生み出した
その最たる責任が、私にある…のだろう」


南無阿弥陀仏……と小さく
数珠を擦り合わせながら
念仏を唱え始めた

悲鳴嶼さんは自分が
今の事の発端だとそう言って来て


「悲鳴嶼さん……、貴方は
何をご存じであると言うんだ?
お教え願いたい……、恐らくそれは
今の俺達に必要である事のはずだ。
そうでは、ないだろうか?悲鳴嶼さん」



杏寿郎の言葉に悲鳴嶼からは
すぐに返答は返って来なかった

悲鳴嶼の目から つぅーっと
一筋 涙が零れ落ちて行く


「全ては……、私の罪。
許しを請うつもりはない…」



「悲鳴…嶼さん?」



悲鳴嶼さんの 罪……?



/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp