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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編



あげはの項に出来た その印を

舌で舐めると
愛おしむ様にして口付けた

そのままギュウウっと強く

身体を抱きしめられてしまって


「少々悪ふざけをしすぎてしまったか?
名残惜しい気もするが…、仕方ない。
そろそろ、行くとするか」


そう名残を惜しみながらも
彼の腕から解放されて

自由が戻って来る


「え、ええ。そうですね。
そろそろ、
時間も……いい頃かも知れません」



まぁ ここでお預けにした分は


夜に返して貰えばいい

そう内心考えていた

杏寿郎であった


そう この時は


そうする つもりだったんだ


この時は…


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー



悲鳴嶼さんの住まう庵のある
山の前まで辿り着いた

山道に入ると
修行場の滝の下流にあたる
川沿いに上流を目指して
山道を進んでいく


パシャっと水面が跳ねて
あげはがその場所を指さすと


「あ。杏寿郎見て下さい、魚が居ますよ」

「これだけ、水が澄んでいるんだ。
魚の姿も多いな」


そのまま山の中ほどまで登って

悲鳴嶼さんの住まう
庵まで辿り着いたが

そこには悲鳴嶼さんの気配はなくて

その代わりに庵の前で
2人を待ち構えていたのは

悲鳴嶼さんが面倒を見ていると
言っていた不死川玄弥だった

「うす」

そう短く玄弥が言って
あげはに対して頭を下げた

「久しぶりだね。玄弥君。
最近は体調は…、変わりない?」

「お陰様で、それなりに」

あげはと玄弥のやり取りを
静観していた杏寿郎が
声を掛けて来る


「知り合いか?」

「彼が…、不死川君の……弟さん」


そう言われて目の前の少年を見ると
確かに顔立ちに不死川の面影がある

「そうか、君があの不死川の。
君と不死川の顔立ちは、
良く似ているのだな」

「似て…、るんすかね?顔。
兄貴は全然似てねぇって
言いますけど……って。
ああ、悲鳴嶼さんから、
お二人が来たら伝えろって、聞いてます。
山頂の大岩の所で、瞑想をしていると」




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