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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編



「…あげは」

耳元で彼がそう静かに私を呼んで来て

視線だけを彼の顔へ向けると


「声を…殺してくれるか?」


その俺からの問いかけに
あげはがこくりと頷いた

正直 今 彼女の声を聞いてしまえば

自分の堪えが無くなりそうだからな


「いい子だ……」


彼女の呼吸を妨げない程度に


その口を己の手で塞ぐと

空いている手でその身体に
腕を回して固定する様にして押さえる


あげはの項に杏寿郎が舌を這わして来て

思わず 

その刺激に身体が反応してしまって
ビクと小さく跳ねるのを
彼の腕で押さえ込まれる

声が漏れ出そうになるのを

あげはは飲み込むと

彼女が声を押し殺したのが

あげはの口を押えていた手に
振動として伝わって来るし

自分の腕に伝わって来た
彼女の身体が俺に応じて跳ねる
その反応ですらも… 全てが…



愛おしい…と思う



そう愛おしいと感じて思う

その感情と同じくして


もっと彼女を欲張りたいと言う

愛したいと……思う 気持ちが

どうにも抑えが付きそうになくて


「呆れる……か?俺を…哀れな男だと。
いっそのこと、君にそう言われたら
この感情が押さえられそうだが……」

自分の感情を押し殺しながらも
そう杏寿郎が言って来て


そんな事を

言える訳がない…


どうしようもなく 君が好きだって

そう言っている 杏寿郎の言葉を


否定する事なんて 出来なくて


殺せと望まれて 押し殺した声の代りに

あげはの目から 涙に変わって零れ落ちる


その零れ落ちる雫を

杏寿郎の舌が受け止めて


そのまま 後ろを向かされて

唇を塞がれる


「んっ…、杏寿郎…」

「ふ、…は、あげは…」


触れるだけの口付けをして


そっと 唇を離されると


露わにされていた

項にチュウ…と音を立てて吸われて


赤い印を付けられた





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