第36章 罪と罪 後編
もしかしてと 思ってたけど
やっぱり そのつもり……なんだ
杏寿郎… 足…ッ
私の足の間に捻じ込むおつもりで
いらっしゃいません? これっ…
そう思ってる間にも
膝を開く様にと彼が足で
促して来てる…から
でも…
でも… 今
この状態で そうされちゃったら
非常にマズイ… 色々とよろしくない…
「ん?どうして俺の足を押さえるんだ?」
「やっ、ちょっと。ダメ…ッ杏寿郎っ。
んっ、……ダメに
決まってるじゃないですかぁ
そんな事したら……ッ、
やん、ちょ、ダメですっ……て」
「いいだろう?……足だけだが?
ほんのちょっと、足を君の足の間に
入れるだけだが?」
笑顔 その笑顔が怖いっ
私の足の間に自分の足を入れる
だけなんかで 当然済まないだろうし
「嘘っ…、入れるだけじゃないって、
んっ、そんな顔…してる、しっ
…やっだッ、ダメだって」
グイグイと彼の胸に
自分の両手を当てて
杏寿郎の胸板を押してみるが
私の力で……と言っても
足に来てる位なのだから
当然 力なんて…入ってる様で
全然 入ってなくて
抵抗らしい抵抗にも
なっていないのだろうが
「嫌だと言うなら、
理由を聞かない事には聞き入れる事は
…できんな。あげは。どうなんだ?」
そう言いながらも耳元で厭らしく
囁かれてそのまま吐息を吹きかけられば
ぞわっと背筋が泡立つのを感じる
ちゃんと理由を私が言葉にしなければ
それを容赦はしないと
そう言われてしまっていて
これ以上の場所まで 自分の足を
私の足の間に捻じ込むのを
止めて欲しかったら
理由を言う様に そう促されてしまって
理由なんて そんな……
そこをそうされたら…きっと
今の状態だったら……
「答え…られないか?だって…、
そうされるのに君は弱いからな。
そうされながら、口を吸われたら……、
気を遣ってしまうだろう?」