• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第36章 罪と罪 後編



上に…何か
あるのだろうか?

彼女の指の先を

その蝶の飛んで行った先を

杏寿郎が見上げていると

その視界を遮る様に

ひらっと蝶が一匹 そしてまた 一匹と


「蝶寄せは…、元々カナエちゃんが
得意としていたのですが…。
ある時しのぶちゃんが、それを
カナエちゃんに教えて貰っていて
自分でしようとしていたんですが…。
全然上手く出来なかったみたいで」


ひらひら とまた 眼前を蝶が過ぎて行く


「その時に、中庭で洗濯物を干していて
私にも、してみないかって。
そうカナエちゃんが聞いて来たんです……」



ひらひらと…? いや これは

ひらひら なんて可愛い物じゃないな

目の前を何度も行き交う蝶に気を取られて

視線を空から逸らしていたが


再び空を仰いで

その光景に杏寿郎が目を見張った



上空から

渦を作りながら


柱の様になった


蝶の大群が こちらへと舞い降りて来て



そんな 異様な光景……が

今 現実に目の前で起きていて




群れの中の先端の一匹が


あげはの指先に止まった


「けど、その…ですね。
私が蝶を呼ぶと…この様になるので。
しのぶちゃんに屋敷が蝶まみれになるし
集まり過ぎて、気持ち悪いのでダメですと
蝶屋敷で蝶を寄せるを…。
禁じられてしまいまして……」


「確かに、こんなに集まると…
不気味な光景でも…あるな」


確かに おびただしい程の数…だ

数百…… と言う単位だろうか?


空を覆い尽くす…のではと

そうも見える その異様な光景は


幻想的と言うよりは


胡蝶の呼吸の様にも見える


いや これは本物の蝶なのだが……




「アサギマダラ…」




/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp