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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第35章 罪と罪 前編


「お館様がある時、
言って下さったんです。
私が、環を選んでくれて良かったって。
環には凄い能力があるのに、
誰の鎹鴉にもなれなかったから……って。
その素晴らしさを、
気付いてくれる子が居て
良かったって。…っ、それは…
私にしか……、できないと……
そう、仰って…下さったので……」


そのあげはの表情を見て
気が付いた

確かにきっかけは
罪の意識だったのかも知れないが

あげはにとって 環は

かけがえのない存在になっているのだな


「杏寿郎……、折角ですので。
時間も出来た事ですし。
少し……、寄り道でもしませんか?」


寄り道をしないかと
彼女から提案をされた

「君から、お誘いがあるとは俺も
思っても居なかったが、逢引か?」

杏寿郎の言葉に
あげはが杏寿郎に対して
鋭い視線を向けて来て
はぁっと息を付くと


「逢引…と呼べるほどの物かは、
私にもわかりかねますが…。
少し距離がありますが。杏寿郎のお望みの
逢引にピッタリな、おあつらえ向きな
場所があるんですよ?」


そう笑顔で言って来て

ここからあまり離れて居なくて

それでいて 逢引にピッタリの場所


「そんな場所があるのか?あげは」


そう彼女に問い返すと



「ええ。とっておきの秘密の場所です」



そうか 彼女の言葉に

思い出した事があった


この辺りだったか

宇髄に連れられて行った


三上透真の……秘密の場所は……


不思議そうな顔をしながら
あげはがこちらを見ていて


「あの、杏寿郎?」

「ああ、すまない。少しばかり、
ぼんやりしていた様だ。
そのとっておきの秘密の場所とやらに
俺を案内してくれるのだろう?」

「ええ。あ、でも…距離もありますし。
いつでも行ける場所なのは場所なので。
今に無理にとは、言いませんし…」

顔に出てしまって居たのか
あげはが俺の様子を気にしてか
そう申し出て来て


「いや。行こう……」



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