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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第35章 罪と罪 前編



そんな事だから…あんな風に

控えるように……と あげは本人から

苦言を言われてしまうのだろうが


俺も不甲斐ない……限りだな

それでは 堪えがないと

言われてしまっても 仕方ないな


「そうか。俺が……一刻の猶予も君に
与えなかったから、だったか…。
すまない。許してくれ。あげは
その辛いのを、我慢させていたんでは…
ないのか?君に」


手加減をしなかったのも

また 紛れもない事実だったので


その時は彼女は
胸の痛み等については
何も言わなかったが

折れた肋骨に負担をかけさせて

しまっていたのではないかと

そう 心苦しく感じていると


「いや、その…あの時は、そんな事を
感じている間が無かったと言いますか。
別の事で、……その精一杯でしたので」

そう言って気恥ずかしそうに
しながらもあげはは
その時の事を思い返している様だった

「そうだったのなら…、
いいのだが……、いや、良くもないのか。
やはり俺は、もう少し…自分の
そう言った部分を……落ち着ける
必要がありそうだな……。あげは」

「その……っ、えっと、ああ!
でも、それが今こうしてこの様な形で
生きて来てるのだったら。
そうしてくれて、良かったと
杏寿郎に感謝しなくてはなりませんね?
その時からの癖でその後も、
ずっと、そうしたままでしたので」


カァーーーッ カァー

鴉の鳴き声が聞こえて

上を二人が見上げると

上空を旋回している
鎹鴉の姿が見えた


あの鴉は確か……



「ん?あれは……、
悲鳴嶼さんの鎹鴉か?」



「風景がすぐれていて美しい事……」


あげはがそう呟きながら
上空に向かって手を伸ばすと


「絶佳……、おいで」


バサッバサッ……
あげはの腕に向かって
その鎹鴉が降りて来る


「あげは?」


「悲鳴嶼さんの鴉の名前ですよ。杏寿郎。
絶佳(ぜっか)と言うのは、
風景の美しさを称える言葉ですから…」







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