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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第35章 罪と罪 前編


苦しみの中で待ちなさいと

ひたすらに耐え忍びなさいと

彼に言ってるのだから

その苦しみの終わりが

いつかも 知らずに

ただ それを 堪えて待ち続けなさいと


彼に それを強いているのだから……


私は 何と… 酷い父なのだろうか

自分の子供に…… この様な

死よりも辛いと知りつつ 

苦行を強いてるのだから


彼は 透真は

何と答えるのだろうか?




透真が産屋敷のその言葉を聞いて
自分の隊服の胸元に手を当てると

ぎゅっとその隊服を掴んだ



『…ちます。……ッ、待ちます…。
例えそれに何年掛かろうとも…。
私は……、待ちます!
その時を、待ちます』



『すぐに……叶えてあげられなくて、
すまないね。透真。
許してくれとは…言わないよ。
私には言えないからね』


『お館様。心より感謝……致します』


彼の口から出たのは


私への 罵倒の言葉ではなくて



感謝の言葉……だった



それも 心からの 感謝の言葉だった



『お館様。願いついでに、
私の我がままを…
お許し願えますでしょうか?』

『ああ。何だい?
言ってごらん?透真』


『この先に、彼女が……
あげはが柱を退くと言うのを
お館様には引き留めて頂きたいのです。
彼女が、鬼殺隊を抜ける事も
許可しないで頂きたい。
今の…私に唯一…、
選ぶ事が許されるのならば。
私が、その時まで耐えて
迎える事が出来たその暁には。
彼女に…、あげはに、
―――――…て、貰いたいのであります』


その透真の言葉に
産屋敷は静かに頷いた


『では、私はこれで…』


自分の元から去ろうとする

彼に向けてに問いかけた


『後悔は…しないのかい?透真』




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