第34章 彼からのお土産
「あげは。
それ以上は…言わないでくれ。
俺の…堪えがなくなる…、
かも知れんからな?」
「杏寿郎の堪えがないのは、
いつもじゃないですか!!」
「それは言い過ぎだろう?
そんな事はない…!ん?……ない。
あ、うん、ない…ぞ?うん。いや…あるか」
今朝から自分が差した彼女の紅を
何度も崩してしまって居るのも俺だし
彼女と初めて 口付けた時も
腫れてしまうからと
言われて止められたにも
関わらずに何度もそうしてしまったのは
紛れもなく 俺…だからな
「ふざけてないで、もうそろそろ
急ぎませんか?杏寿郎」
とあげはが悲鳴嶼さんの
稽古場である山のある方角を指さして
杏寿郎を急かして来たので
「待ってくれ。今、行く」
再び早駆けをし始めた
彼女に後れを取りそうになって
慌てて
全集中の呼吸で
杏寿郎も その後を追った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
すいません。章の都合で
このページだけ文字少な目です。