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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第34章 彼からのお土産



そう思いつつも
このままでは本当に彼女に
置いて行かれてしまうので


一瞬で精神を整えると


「全集中の呼吸ッ…」


ドンッ……

地面を蹴って 彼女の後を追った



段階的に行う加速を更に
呼吸を洗練して最高速度まで

即座に到達させると

前方の遥かに遠くにだが……

あげはの後姿を捉える事ができた


「おい、あげは。どう言うつもりだ?
何も、置いて行く事はないだろう?
君は、ちょっと酷いんじゃないのか?」

「あ。もう
追いついて来たんですか?杏寿郎。
酷いって、そんな。失礼な言い方、
しなくてもいいじゃないですか。
これでも……、私は
ゆっくり走ってたんですから」


確かに
彼女が雷の呼吸を重ねて
本気で走っていたのだったら

こんなにすぐには追いつけはしないだろうが


そう ツンとしながら
憎まれ口を叩いて来つつも

最後の方には穏やかな笑顔を
して来て見せて来るから


それは ちょっと……ズルいと
杏寿郎は思ってしまいながらも


嫌味で返すかどうするのかを
杏寿郎が悩んでいると

隣を並走している
あげはの表情が曇るのが見えた


「…あげは、心配か?…その。
君が聞いて…、心が晴れる様な内容の
話しではない事は
間違いないだろうからな。
だが、それを承知で君は、
それを…悲鳴嶼さんの口から
聞くことを選んだ…違うか?」


「いえ。違いません…。
杏寿郎の言う通り…ですから。
でも…、そうしなければ…私は
彼と向き合う資格すらないですから」



「俺は、そうは思わんがな」

「へ?」


思わず杏寿郎の言葉に気の抜けた
返事を返してしまった



「君は気負い過ぎだ、
そう気負う必要もあるまい」

「気負ってなんか…、ありません…し」



「君は、真面目に
考え過ぎてる…どうだ?」

「そんな…。私は、普通です。
杏寿郎はもっと真面目にして下さい!
ふざけて言う様な事じゃ……、
ないですし。怒りますよ?」



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