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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第34章 彼からのお土産


「これを、差したのは杏寿郎ですっ。
……だからぁ、ちょ、杏寿郎?
聞いておられますか?あのっ…、
私が…悪いんじゃなくって……、
ちょっと、ダメって…言ってるのにッ」

自分に唇を寄せてこようとする
彼の額に自分の手を
当てて押し返そうとするも

当然 あちらの方が力が強いので

そのまま押し負けてしまいそうになる


「あげは」

「うっ、……そんな顔してもダメですから」



「あげは。そうつれない事
ばかり言ってくれるな。
ほんの少しだけ…、ダメだろうか?」



ズルい…と思う

そんな顔して乞う様な目をして
下から見上げて来られたら

断れなくなっちゃう…からッ


「少しって、
朝からそればっかり言って。
杏寿郎、
全然少しじゃ…済んでませんし…。
それで許可をしたら、また私の紅が
崩れてしまいそう…ですので」

その乞う様な 彼の視線から
自分の視線を逸らせて突っぱねる様に
あげはがそう答えると

「あげは。触れるだけでいい。
それでも、ダメだろうか?」

杏寿郎から視線を逸らせていたあげはが
ちらっとだけ杏寿郎の顔を見ると
自分に対して期待に満ちた視線を
向けられているのが分かった

「触れる……だけ…って、
ほだされる所だったじゃないですかっ!
もう、騙されませんからね?……ダメですっ」

「ダメか?」

「ダメです」

「……どうしても……か?」

「ですから。何度も
私は…、お断りを……して」

そう何度も何度も
強請られてしまって

「……あげは。ダメだろうか?」

「…う゛っ…」

断り続けるのも 段々と
忍びなくなってきてしまって

心苦しくなって居るのが
限界に差し掛かって来て


「す、…少しだけ…ですよ?」


そう答えると
あからさまに喜んでるのが
その顔を見ると分かるから

つい…許可をしてしまったものの


絶対にこうなるって

自分でもわかってたのにっ

どうして許可しちゃうの 自分……


自分で自分に呆れてしまいそうだ



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