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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第5章 無限列車にて 前編


いつの間にやら用事を済ませた杏寿郎が
戻って来ていた
「もう、用事は良かったの?」
「ああ、君も随分と派手に立ち回って
くれている様だが、体力は温存して
置いてくれ!後は、俺に任せるといい。
俺は救助はできるが、手当ては
できないからな」


「そうは、言われても。私1人では、
200人は看れないですよ?もしよろしければ、
今度は私がお時間、頂いても?」
「それは、構わないが。どうした?」

「鴉を飛ばして、この沿線沿いにある
病院のベットを押さえます。
この汽車の進行方向にある病院で、
救急の受け入れができる所をなるべく多く。
緊急で手術が出来る所と、その準備も…」

今のこの状況下で彼女は
もうその先の算段をしている様だった

「そうか、では、そちらは君に…、一任する」
彼女は最悪の事態への備えも
考慮すべきと判断した様だった
もしこのままこの汽車が暴走を続ければ
他の汽車との衝突事故や
脱線事故に繋がりかねない

「後、…念の為、しのぶちゃんに
来てもらいたいですし。
一時救急の為に、隠にも
来てもらいたいですので…」
彼女が看護者として優秀であっても
1人でこの人数が手に
負えるわけではないのは確かだ

あげはが胸のポケットから
細い笛を取り出すと吹いた
その音で白い鴉が
こちらへ飛んでくるのが見えて
あげはが鴉を招き入れるように窓を
叩き割った

「環、ごめんね。他の子の鴉も
呼んで来てもらえる?」
白い鴉にそう告げると 
鴉はカァーと鳴いて
割れた窓から外へ飛んでいく
その間にあげはが急いで文をしたためる
しばらくすると白い鴉が 炭治郎の鴉と
普段は隠れている伊之助の鴉 
そして1羽の雀と戻って来た
自分の鴉とその3羽にも
手紙を託し見送った

「これで…良しっと。
すいませんっ、お手伝いします」
「ああ。もういいのか?」
触手を斬っている杏寿郎の元にあげはが戻ってくる
ズバッ バシュ 
キリがないほど次々に伸びてくる触手を
斬りながらも会話を続ける

「……でも、良かったんですか?」
何に対しての良かったなのかを
杏寿郎が考えている間に
あげはが言葉を続けて来た

「炭治郎君達に、任せてしまって」

まだ 彼女の口ぶりからは
下弦の鬼は彼等には
役不足だと言いたいのだろう
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