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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第34章 彼からのお土産



ふふふと杏寿郎の言葉を聞いて
あげはが口元を押さえながら笑うと

「もう、杏寿郎に掛かれば
全て…お見通し、と言う事ですね?
私が、椿油派じゃなくて
あんず油派だと言う事も…。
椿油をある美髪の隊士に勧められて
使っていた時期があったのですが…。
どうにも私の髪には合わなくて…、
べたべたするばかりでしたので」

「君の髪は…さらさらとして
指通りがいいな。
極上の絹糸の様だ……が」

纏めていた髪を解かれてしまって
杏寿郎が目を細めながら
あげはの髪に手櫛を通して
撫で下ろして行く様に
その髪の感触を確かめていると

ふと 何かを思い立って

「君の髪に、この油を塗っても?」

「それは……構いませんが…、あの、
あまりつけすぎないで下さいね?」

「いや、あれは、
竈門妹が不意に動いたのもあってだな…。
君は俺に髪に油を付けられるのに
暴れたりはしない…だろう……?」


「髪に油を付ける時は……
手の平の上に出してって
あっ。杏寿郎、多いですって、
そんなに要りませんから。
もう、…出し過ぎです…。
ああ、そうだ……手をこちらに…」

杏寿郎が手の平の上に出した
あんず油の量が多すぎるとあげはに
文句を言われてしまって

手を自分の方へ向けるようにと促されて
言われるままに彼女へと
自分の手を差し出すと

あげはが杏寿郎の手から自分の手に
余分に出し過ぎてしまった分の
あんず油を馴染ませるて行く

それをどうするのだろうかと
思いながら杏寿郎が眺めていると

そのまま杏寿郎の方へと
あげはがその手を伸ばして来て

「あげは?もしや……と思うが
俺の髪にそれを付けるつもりか?
俺は……、男だが?」

あげはの行動を止めようとして
杏寿郎がそう言うと

「え。でも、私が話したその美髪の
隊士も男性ですけど?」

「…そうなのか?」

「男性でも、髪の手入れに
気を遣う人も居るようですし。
偶にはいいじゃないですか。……それに
こうしたら…、お揃いになりますしね?」



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