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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第34章 彼からのお土産



「え?杏寿郎?
…お土産…でしたら
お昼に頂きましたよ?」

「いや…土産と言うのはだな。
昼のサンドイッチの
事ではなくて…だな」

ちょっと待っていてくれと
杏寿郎がそう言って立ち上がると

自分の使っている 
文机の方へと向かって その上にあった
何かを持ってこちらに戻って来た


文机の上には書きかけの手紙が
開いて置いたままになっていて

杏寿郎はこの頃 手紙を
方々に書いているのを良く見かける

私が炭治郎君達の所へ
行っている間にも


手紙…… 書いてたのかな?杏寿郎


「あげは。これを…」


これと言って杏寿郎から
差し出されたのは


藤色のちりめんの生地で
柄は小さな淡い色とりどりの
桜の柄が入った布で出来た

小さな 巾着袋だった


所謂 花びら巾着と呼ばれる

形状の物の一種なのだろう


本来なら花びら巾着の花びらは
口の部分だけなのだが

この巾着にはその花びらが
巾着の部分にも縫い付けられている
デザインの様で 

まるで八重桜を思わせるかの様な
花びらが5重にも
重なった手の込んだ物で

じっとあげはが
自分の両手の上にちょこんと
乗っているその巾着袋を
しばらく凝視していて


「…か」

「か?」


「可愛い。ちょ、…杏寿郎!
これっ、どうなさったんですか?
凄い可愛いのですが?
これはどちらでお買い上げに
なられたんですか?
こんな花びら巾着、
初めて見ましたよ?」

「あげは。落ち着いてくれ。
君の考えている事はわかる。
君の事だ。蝶屋敷の面々にも
これを贈りたいと
そう、考えているのだろう?違うか?」

あげはが杏寿郎の言葉に
目をぱちぱちと瞬かせて居て

「ど、どうして……分かるのですか?
こちらの他にも色はありましたか?
赤とか桃色とか、水色とか、黄色……」

「分かった、分かったから。あげは。
とりあえず。落ち着いてくれる……か?」

そう促されて
自分の胸に手を当てながら
あげはが深呼吸をする


「で、それは。
……気に入ってくれたのだろうか?」


その杏寿郎の問いかけに
あげはの顔が明るくなって



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