第32章 深まる謎と謎
「だったら、たまたまって事かよ?」
「こら!伊之助っ。
あげはさん、…すいませんっ」
あげはの言葉の通り…なら
骨折の痛みや治癒を助ける
補助的にしていた事で…
偶然そうなった……と言う事なのか
「怪我の功名……か」
「ええ。本当に。そうですね。
杏寿郎さんお上手で。
偶然にそうしていた事が、
結果的にそうなったと
言うだけの事ですけども」
「いや…だが、その方法は
俺達が普段から取り入れても
いい物かも知れん…。
平時から制限をする方法での、
強化はあまり視野に
入れてなかった考え方だからな…。
制限をした状態での、
常中も…有用だろうからな。
なら、君がそれを
7割制限してあれだけの事を
したのならば、その制限を取り払った…君と
手合わせしたい所ではあるが?」
「それをするのは……、
次の満月の夜になると…は、
思います…が?」
あくまでも彼女は
当日までその状態を続けると言う訳は
しかし…
平時から肺を7割に制限して
常中をしていたのか……
その制限の常中の状態から
複合呼吸と二段呼吸をしていたのであれば
あげはが息切れを起こすのは
無理もない…話か……
「なら俺も、
制限をした常中をするとしよう!」
それから午後の稽古も済ませて
夕暮れになる
「よし!今日の稽古はこれで終了だ!」
「はい!煉獄さん。稽古を
ありがとうございましたぁああっ!」
「やっと、終わったぁ~、
ありがとうございました」
「ふはははっ!
ありがとうございましただなッ!」
伊之助は新しい呼吸の極意を
少しばかり物に出来たのが
嬉しいのか終始笑い声が
言葉に混じっていた
「杏寿郎…。これから夕食まで
どうなさいます?ふたりで…、
手合わせでもしますか?」
「あげは…、君に聞きたい事がある」
ピクッと
炭治郎が自分の鼻を押さえて
何かに反応すると
善逸と伊之助に声を掛ける
「善逸、伊之助…、俺達は離れに戻ろう」
「あ、待ってよ、炭治郎っ俺も行くよぉ~。
身体、くたくただし、休憩するぅ~」