第32章 深まる謎と謎
善逸の言葉に更にあげはが
重ねるようにして
追加で説明をして来て
「宇髄は将来的に
寿命を縮める…と言っていたが?」
「ああ。その事ですね?
それの事なら、先日、私が
炭治郎君達に指導した、
身体の巡りを、
制御する方法がありましたよね?
もう、その問題については、
そちらで解決策は見出してますので。
善逸君だったら、
私のしている対策についても
知ってると思いますけど……?」
宇髄の言っていた話と
随分とあげはの話が
食い違っている様に聞こえる
どう言う事だ……?
宇髄はこの呼吸は
寿命を縮めると言っていたのに
あげははなんら問題はないと言ってる
二人の言い分が正反対で食い違っていて
杏寿郎には理解に苦しむ状況だった
「あ。もしや…杏寿郎。
他の皆に、この呼吸の方法を、
……教えたりしましたね?
その顔、してるって顔ですね。
はぁー、
もう、もうしばらくしたら
杏寿郎にも、私が平時している方法を
してもらおうと思っておりましたのに、
勝手な行動は困りますけど?」
そうため息交じりに俺を責める様な
そんな口調で言って来て
「まぁ、習得するのに
まだ時間も居るでしょうし。
本格的に使用されるように
なってからでいいかと
思っておりましたので。
あまり一度に色々と言うのもと…
思ってましたから。
そこまで詳しい説明をしなかった、
私も悪いのは悪い……部分はありますしね」
「宇髄の言っている、
この呼吸の危険性を
君は知ってる…と言う事なのか?」
宇髄が言っていた
この呼吸に秘められた
危険性を宇髄なら気付くと
三上透真は知っていて
あげははあげはでこの呼吸の持つ
危険性を…知った上で
その対策も理解していて
すでに
その対策を講じていると言う事なのか?
「杏寿郎…は、
二段呼吸を使った時、
身体のどの部分に
熱が集まるのを感じますか?」
「どこ…?胸の辺りだが……
肺と、心臓の…」
杏寿郎がそう言いながら
自分の心臓の上に手を当てた