第32章 深まる謎と謎
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「くしゅんっ」
あげはがむずむずと落ち着かない
自分の鼻の下を人差し指で押さえた
「大丈夫ですか?
あげはさん。風邪ですか?」
「ぎぃやああああっ!
何なのぉー?可愛いんですけど?
可愛すぎるんですけどぉーーー!
あげはさんのくしゃみ、
可愛すぎじゃない?
ねぇ?聞いた?
くしゅんって、聞いたよね?
ぐっふふふっ~」
「紋逸…、
お前、きっしょい奴だな」
デレデレしている善逸に
伊之助が冷ややかな視線を向けた
「ちょ、善逸君、
恥ずかしいからそんな事
言わないでってば…もうっ。
でも、くしゃみって
誰かに噂話されてるとか?言わない?」
「あん?なんで、誰かが
あげるの話してたら、あげるが
くしゃみすんだよ?なんでだよ?」
伊之助がそんなんどうでもいいと
言いたげな態度でそう言って来て
「もう、ヤダヤダっ。お前は
一般常識ってのがなさすぎじゃない?
誰かが噂話してたら、
くしゃみが出るって
昔から言われてるんだよ。」
「噂話…、されてるんでしょうか?」
炭治郎の言葉に
あげはが表情を曇らせる
「噂……かぁ、
されててもおかしくはないけどね。
鬼殺隊の中には、私が元柱であるのに
柱を辞めた事自体を、
良く思ってない人も居れば。
その後も、
鬼殺隊に留まってる事そのものが
気に入らないって人も居るから……」
「あげる…、お前。
そんな事言う奴は
ブン殴っときゃいいだろうがよ?
お前が悪いんじゃねんだぞ?
気にすんな。名前、教えろ。
俺がそいつ、今度ブン殴っといてやる」
ぶんぶんと拳で
空を殴るポーズをしながら
伊之助がそう言って来て
「ふふっ、もう…、伊之助ったら。
大丈夫だよ。そんな事しなくても」
「ああ、でも俺も
その話は知ってますけど。
さっきのあげはさんのくしゃみは
一回でしたから、
きっと褒められてるんですよ」
私が他の隊士の噂話を
気にしていると思ったのか
今度は炭治郎がそう言って来て