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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第32章 深まる謎と謎



ならば


俺も何か 竈門少年達と
あげはに土産でも買って帰るかと

その足を 店で賑わっている
大通りへと向けた


ある店の前を通りがかって

ふとある物が目に入って来た


「…あれは…」


その店の前で
杏寿郎が足を止めると

店の主人が杏寿郎に気付いて
店の奥から出て来る

「お客さんそれは、普通の物とは
別物で、特に厳選された上質の物でさ。
流石ですぜ。
お客さんはお目が高くていらっしゃる」

そう揉み手をしながら
杏寿郎に対して言って来る


「そうか。前に彼女に
紅を贈ると話をしていたのを
不意に思い出して……な。
これはそんなに上質な品物…なのか?」


街に向かう馬車の中で
彼女に紅を贈る話をしたのを
その店先に置いてある紅を見て


思い出した


普通の紅なら貝殻やお猪口に
塗られて売られている物だが


格段に細工の施された陶器の
小さな器にその紅は塗られていて


通常の良くある紅と大きく異なる点は
赤い紅の色ではなくて

玉虫色に輝いているその色味は

明らかに上等な 紅の証拠


「これは…、見事な玉虫色だな!
しかし……、綺麗ではあるが
紅の色では無いな…」


玉虫の羽の様な……

金色味を帯びた…光沢のある
緑を呈しているそれは

おおよそ馴染みのある
紅の赤い色ではなくて…


この色がそのまま唇に乗るのは…

余り頂けた物ではないがと
杏寿郎が考えていると


「こうして、玉虫色に輝くのは…
希少な極上の原料を職人が
江戸から続く手法で作った物の証拠でィ。
何せ1000本の紅花で
これ、1つ分だからねぇ。それだけ
手間と時間が掛かってんでさァ」

「そうなのか…、ならこれは
普通の紅ではなく、特別な紅なのだな?」


「日本で、有名な小野小町…って美女が
居やしたでしょう?
お客さん、知ってやすかぃ?小野小町」

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