第32章 深まる謎と謎
「それも……、似合ってたのか?」
「はい♪モチロンです!
あげはちゃんは可愛いし、
スタイルも抜群なので!
とても良く、似合ってましたぁ!!
不死川さんも、開いた口が塞がらなく
なってましたよ?だって仕方ないわ。
それぐらい、素敵だったんだもの~♪」
ピクッと蜜璃の言葉に
杏寿郎が反応する
「そうか、……甘露寺と揃いの隊服を
あげはは着たのだな。そして……その
隊服姿を、不死川は知ってる……と」
「え?ええ。……そうなの。
何か……問題があったかしら?
あの……、煉獄さん?」
いや どう考えても問題しかないのだが
この恰好をいつもしている
甘露寺の前でそう言う訳にも
行くまい……
あげはに何という
破廉恥な恰好をさせてくれたんだと
甘露寺を責める訳にもなるまい
それに甘露寺は
いつもこの…
…あられもない姿だからな
甘露寺はこの天真爛漫な性格の所為か
この纏っている雰囲気の所為か
この あられもない恰好でも
不思議といやらしさが全くなく
いいのか悪いのか
色気……を感じないのだが……と
言ってしまうと
甘露寺に失礼にあたるのか?
「いや、問題はない……。それも
甘露寺のいい所だし、個性だからな!
あげはには、俺から良ぉーーーく、
言い聞かせて置こう」
「問題がないのに?言い聞かす…??
あげはちゃんの話をしてるのに、
何故か私が励まされるような…、
どうしてかしら?」
杏寿郎の言葉の矛盾に
蜜璃が首を傾げる
「いや、こちらの話だ。気にするな。
甘露寺は、何も…悪くないからな!
悪いのは…あげはだ」
「あの~…、その事なんですけど。
あげはちゃんに、それを着て欲しいって
言ったの、私なんですけどーー?
私がお願いしたの。
だから、あげはちゃんは
悪くないの…。それに…、
不死川さんはたまたまその時に
蜂蜜を買いに来てくれただけで…」