第32章 深まる謎と謎
鬼殺隊最強と呼ばれる
岩柱
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼さんならば
年齢的にも
入隊の時期……から考慮しても
それに柱になった年齢から
逆算するにしても……だ
当然の如く
三上透真と面識があるのは確か
柱も数年に渡り
彼と同時期にしていたはず……
それなのに……だ
悲鳴嶼さんはこの件について一切
黙して語らず……なのだ
俺から何も尋ねないから…
と言う訳ではあるまい
きっと 俺達が
三上透真との決着をつけると言う事は
当然 悲鳴嶼さんの耳に届いてるはず…
あげはも……悲鳴嶼さんから
何かを言われたような素振りもない
断固として我関せずを……
黙して……語らず…を貫き通す…
それが 悲鳴嶼さんの考えなのか……?
俺が推測するに……の話であるが
お館様と悲鳴嶼さんは
恐らくだが俺達の知り得ない
”何か”を 知っている
そしてその”何か…”が
鬼殺隊が今まで
三上透真 討伐をしなかった理由だ…
三上透真……
鬼殺隊 最強と呼ばれた 水柱…
彼は……上弦……以上……なのか?
だが だとするならば
また更にひとつ 疑問が生まれて来る
彼は 上弦……ではない
数字を持たない只の一介の鬼だ
だったら 彼は
……鬼舞辻無惨からすれば
どんな 存在なんだ?
柱の鬼
数字を持たないのに
上弦に相当する能力を
何故……彼は有するのか
謎が……深まるばかりだ…
彼は 鬼舞辻無惨から見ても
特別……な存在…… なのか?
彼は知っているのだ
鬼殺隊の柱でもその場所を知らない
刀鍛冶の里の場所を知っていた
その事実が彼が
お館様に全権の信頼を置かれていた
何よりの証拠でもある……
何故彼は……
刀鍛冶の里をそのままにしている?
刀鍛冶の里を壊滅させれば
鬼からすれば
優位に事が進むはずなのに