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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第31章 その名を継ぎし者


「あげはは今頃…竈門少年達にも
この呼吸の指導をしているはずだ…。
俺は、君に教えたついでに他の柱にも
この呼吸を広めるつもりでいる」

「いいのか?それは……あげはは
承知の上…なのか?」

自分が編み出した物を
勝手に方々に広められるのは
あげはとしても気分が悪いのではと
そう心配になって義勇が尋ねた

「ははははは。
要らぬ心配だぞ?冨岡。
確かに、あげははすぐ怒る時もあるが、
こんな事で怒る様な、
そんな女ではないからな」

「俺が……思うにそれは、煉獄。
お前があげはの話を聞かないから、
怒られる……んじゃないのか?」

義勇が丹精な顔を顰めながら
そう杏寿郎に言うと

杏寿郎が目をぱちくりと見開いて

「……見たのか?なぜ、知っている?
あげはは、医療に関する知識の
話を始めると、止まらなくなるからな……」

そう義勇に問い返して来て

ふっと義勇が口の端を曲げると

その表情を見て
またしても杏寿郎が目を見開いて

驚きを隠せない様子だったので

「俺の顔……が、
どうかしたか?煉獄」

「いや、……俺は冨岡、
君とはそれなりに付き合いがあると
そう思っていたが……、
そうして君が笑う所を、
…初めて見た気がする…が」

「そんなに、俺が笑うのが珍しいか?
だが……、良かった。あげはは…、
煉獄と上手くやっているのだな…
煉獄の話を聞いて……安心した」

クルっと道場の入口の方へ
杏寿郎が向き直ると
顔だけを義勇の方へ向けて来て

「ではな。冨岡…俺はこれで失礼する!
これから、甘露寺と、宇随の所にも
行って、不死川にも合わなければな……」

「そうか……、忙しいな煉獄は。
なら、胡蝶には俺からこれを伝えよう。
俺は蝶屋敷に用があるからな…」


「そうか、なら、胡蝶には……
冨岡……君から伝えてくれるか?助かる!
あ、そうだ……冨岡、これを聞いたのは
当日まであげはには内密に頼むぞ?」


ではと手を振って
杏寿郎が道場を後にすると

シン……とした

静寂が戻って来る



「………承知した」



もう ここには居ない
杏寿郎への返事を
義勇が返した




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