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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第31章 その名を継ぎし者



「まさか、冨岡。
君に嫌味を言われる日が来るとは……。
俺も思っても居なかったのは、
居なかったのだが。冨岡……、
君は自己肯定感が低い人間だが。
君はそう、そこまでにも、
自分を卑下する必要もあるまい…」


煉獄の言葉に

昔 師範に 透真さんに

言われた言葉が重なる


ー『こら。また、そうやって義勇は
自分で自分を否定するでしょ?それは
義勇のダメな所。僕は……知ってる。
義勇が誰よりも、頑張ってるって。
義勇が、自分の事……
ひとつダメって言ったら。
僕が、義勇のいい所、
ふたつ言ってあげるから』ー


「やはり…、
言い方は違えど……似てる…な」

そう言って
何かを懐かしむ様にして
フッと笑った

「ん?何の話だ?
俺は君には他の誰にもない
剣の才覚があると認識しているし、
多くを語らないが…
努力を積み重ねられる
そんな男だと……。思っているのだが?
冨岡、俺の思い違いか?」

「いや、…そうじゃない」


スッと何事も無かったかの様にして
義勇が立ち上がると
その表情はいつもの義勇の物で

彼の精神が 安定したのだと分かった

以前の彼なら ここまで早く
自分の精神を整えられなかったはずだ


やはり 冨岡は……変わったのだな


……強く… 

自分を奮い立たせられるほどに


「煉獄、お前は……
俺に話があると、そう言っていたが…。
俺からもお前に前もって
話して置きたいことがある。
……この日輪刀の事で」

そう いつもより静かに
それでいて 強く義勇が言い放った

「して、
俺が先に話すか?それとも君が話すか?」

こちらの問いかけに
構う様子もなく
杏寿郎の前を過ぎると

義勇が道場の上座に置かれていた

その日輪刀を拾い上げた


「俺から、お前に
言って置きたい事がある。煉獄」


深い 青い瞳が

真っすぐに俺に向けられていた

深い 深い

その青の奥に

強い意志を感じ取る事が出来る
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