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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第31章 その名を継ぎし者


ポンと自分の頭の上に
誰かの手が置かれる


俺は……知っている

この 懐かしい感覚…


俺が課題を達成できた時は


こうして 頭を撫でてくれた……


師範の手……



『そう、それでいいんだよ。義勇。
良くできました。それでこそ、義勇だ。
義勇は、義勇の出した答えに
正しいんだって……
自信を持っていいんだよ』



そう そこには居ない

あの人の声が


聞こえた様な…そんな気がした


「…師範っ、…っ、……俺は
やはり、俺はまだ……未熟だ。
こんなにも、未熟でしかない。
自分の出す答えにすら、こんなにも
迷ってしまうのに…。
透真さん。貴方の、……俺は貴方の……
継子で…、居たかった……もっと…」


貴方から 多くの事を

学びたかった……


そのまま その場にうずくまったまま

何をする気にもなれずに

うずくまったままで 居た


それから それぐらいの
時間が過ぎただろうか?


「冨岡。オイ、君は何をしている?
それは何かの鍛錬……か?
玄関で声を掛けたが返事がなかったから、
上がらせて貰ったが。どうして君は
こんな道場の真ん中でうずくまって居る?」

うずくまっているままで
義勇が顔だけを上げて
杏寿郎の方を見て来た

「……すまん。煉獄……。
動けなく……なっていた」

「して、もう動けるのか?君は」

腕組みをしたままで杏寿郎が
義勇を見下ろして来て

見下ろしていたかと思うと
その場にしゃがみ込んで
じっと義勇の顔を覗き込んで来る

「君がそんな事でどうする?
あげはがあんなにも努力を
積み重ねているのに、この数日で
彼女は数段、実力を高めている。
君は……どうする?
今のままでいいのか?冨岡」

あげは…と言う名前を聞いて
ピクリと義勇が反応する

「あげはは、
……迷っては…居ないのか?」

「いや。迷っているだろうな。俺にも
言わないが、迷いはするだろう。だが、
それは…俺は普通だと思っているが?」

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