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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第31章 その名を継ぎし者



普段の杏寿郎ばかり……見てたから

本来の彼を忘れる所だった


「どうした?あげは……」

「は、はいっ?
いえ、何でもないです、
ありませんっ、ないですからっ」


杏寿郎は疑問に思った
明らかに目の前のあげはは
何かに動揺していて

あの動揺している時の癖である
あの言い回しをしているので

彼女が動揺してる事は
それは紛れもない真実なのだが


彼女は… 一体何に動揺している?


「では、行ってくる。
何、お昼までには戻る……っと
あげは、どうかしたのか?
俺の話を、聞いているか?」

あげははぼんやりとした表情で
心ここに在らずの様子で

「は、…はい。
聞いて…おりましたよ?杏寿郎さん。
お留守は…預かりしましたので」

「あげは……、熱でもあるのか?
俺の気のせいでなければ、
顔が…赤い様にあるが……」

そう言ってあげはの前髪を
そっと手でかき上げると
コツンと自分の額を合わせた

「熱は、……なさそうだが…」

「…ーーーーっ、だっ大丈夫っ、
大丈夫ですので、
何ともありません……から。
それに、体温を触知するのであれば……、
額を合わせるのではなくてですね……。
自分の体温の影響を
受けにくい手の甲の部分で…
頸部や、前胸部の辺りを
数か所……触れれば。
大体の体温は測れますよ?その……っ。
私の顔が赤いと…言うのは…ッ」

そう言ってほのかに赤かった顔を
更に赤く染め上げて
俺から逃れる様に視線を逸らされる

長い言い訳とも言える物言いも
動揺の現れなのだろうが

俺に見られても
軽く触れられても
彼女の動揺を煽っている様だし

だとするならば…… その原因は

「もしや……、俺の隊服姿に
見惚れてしまったか?だとしたら
俺からすれば……ん?」

冗談のつもりで言った言葉に
図星だったのか
あげはが更に顔を赤く染めてしまって

この反応……は

もしかすると もしかするのか……?


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