第31章 その名を継ぎし者
「やはり……そうか。
鏡眼複写のよる霹靂一閃六連に、
彼のその霹靂一閃六連から、学んだ
自分の霹靂一閃を二連にするのを
連続して行う事で……
実質の八連にしたのか……」
が…だ 彼女は三連までと言っていたな
ならば 理論上はこの方法で
霹靂一閃九連が可能なのか?
そんな事を杏寿郎が考えていると
その場には すでに
納刀した善逸が立っていて
その隣に少し遅れを取って
あげはが着地するが
勢い余ってバランスを崩しかけて
その体勢を踏み留まって整えていた
「ハァ、……ハァ、やっぱりこっちも
改善の余地はありそう、……だけど。
呼吸を切り替える、別の応用の
可能性が見えた気がする……ハァ」
やや呼吸を乱しながら
あげはがそう言うと
「じゃあさ。俺、思ったんだけど。
完全に呼吸が終わってしまう前に
呼吸の切り替えすれば、いいんじゃないの?
霹靂一閃六連が終わってしまう
さっきのタイミングじゃなくって、
呼吸が終わる前のタイミングでさ、
切り替えたらいいんじゃないの?
きっと、そうしたらあげはさんにも
八連が使えると思うんだけど……?」
あげはの隣にいた善逸が
そう言って来て
その言葉を聞いて
あげはがぱちくりと目を丸くすると
さっきは呼吸を無理やり切って終わらせて
切り替えて 六連+二連にしたけど……
呼吸が終わってしまう前に
ある程度の呼気が済んだ状況で
肺の容量にある程度の空きが
出来て来た状態で……
新たに呼吸を重ねれば
速度的には
1秒の何分の一……の時間ではあるけど
タイムロスを……
大幅にカットできる……か
でも 霹靂一閃の様な
刹那の時間の型には
この上なく…… 有効な…方法…よね?
理屈上では…… あるけど
「って、善逸君天才なんじゃない?
そうよ!そうしたら、きっと……
私にも理屈上……だけど、霹靂一閃八連が……
六連と二連の二つ型を合わせる形でだけど、
使えるかも知れない……そうか、そうだね。
善逸君、ありがとう。できそうな気がする」