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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第30章 蝶の入れ知恵とほどほどの戯れ ※R-15


今更 何に気を使っているのか

深い間柄になっていて
さっきまで あんな事をしてるような
そんな関係であるのに

遠慮がちに尋ねられてしまって
思わず吹き出してしまった


「ぷっ、ふふっ……。いいですよ」


杏寿郎の人差し指の指先をあげはが
きゅっと握る


「あげは、…そう繋がれるのも…
悪くはないのだが……こうしたいが」


そう言って杏寿郎が
上から私の手を包むように握って来て

きゅっと握られると
胸の辺りがギュっと締め付けられて来て

ズキズキと痛むのを感じる


「おやすみ。あげは……いい夢を」

「ふふっ、おやすみなさい。杏寿郎。
杏寿郎も…、いい夢を」



そのまま 手を繋いで
眠りに落ちて行く


なんて 穏やかな時間なんだろう


手……繋いでる所 温かい…

空いている方の手を
自分の胸の上に当てると

ここも 温かい……な

自分のここの中が
温かい感情で満たされる 感覚


これ…が

幸せ……て言うこと……なのかな?


カナエ……ちゃん

ずっと カナエちゃんは

私に 

幸せになってって言ってくれてたけど


私…… 今


幸せ……だよ… カナエちゃん


こんな風にして

杏寿郎と…手繋いで…たい

杏寿郎と一緒に……居たい…なって

そう思ってる…これから先も ずっと


その夜は そのまま 眠りに落ちて行って


夢の中で出会ったカナエちゃんが

いつものあの笑顔で笑ってくれていた


『あげはちゃん、幸せになってね?
だって、……あげはちゃんが
幸せで居てくれたら。私も幸せよ?
私の為にも……ね。』



そんな 夢を見た

ねぇ カナエちゃん……

私 こんなに 幸せでいいのかな?


『貴方の幸せが……、私の幸せ……なの』


ふわっと
懐かしい温かい

彼女の気配に包まれたのを感じて


目を覚ますと


自分の目から
とめどなく涙が零れていて

その 涙で滲んだ視界に


締め切った室内でまだ暗いのに


ひらひらと…一匹の 蝶が


飛ぶのが…見えた……気がして


そのまま まどろんだ意識のまま

夢か現かも知れず内に



再び眠りに落ちて行った





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