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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第5章 無限列車にて 前編


「でも。君が…悪いんだぞ?」

「悪い?…私が?」

ここに来て 責任転嫁して来る?
それは 私が彼の考えを
受け入れないからって事?

ダメ ダメって拒否ばっかり
するからって事?

「君なら、言われ慣れてると思うが?」

え?いや…なんか違うな… 言われ慣れてる?

「言われ慣れてるって、…何をです?」

「君は、可愛いな」

「言いすぎですっ!もう…許して、
き、禁止しますよ?」

「禁止されると、困るが…。君は」

許すも何も 煽ってきてるのに
無自覚…な上に 禁止までしてくるとは

「言われ慣れてるだろう?
可愛いだなんて、何度も言われてるだろう?」

囁くのはやめてほしいっ 
非常にやめてもらいたいっ
これ以上 褒められたら 
褒め殺されるじゃ済まない…

可愛いって言われるのは 言われてるけど
言われた事ない訳じゃないけど…

今まで付き合った人にも沢山言われたし
それこそ 彼にも 浴びる程言われてた

けど…けど…
目の前のこの人の“可愛い”は
恥ずかしくて仕方ない

「言われてない…ですからっ」

「むっ、嘘は良くないぞ?
君に可愛いと言わない男はいないだろう?」

「私は、可愛くなんてっ、ないですから!」

「そうやって、
意地を張る所も可愛らしいな!」

ああ そうか分かった
なんで この人の“可愛い“が恥ずかしいのか

外見を褒める “可愛い”なら
言われ慣れてるけど

この人の“可愛い”は 
私の中を可愛いと言ってるからだ
だから どうしようもなく…
恥ずかしいし 否定したくなるんだ

「否定しなかったら、もう言わないです?」

じっと彼女がなんとも言えない顔をして
俺の方を見つめながら言って来た
俺に可愛いを言わせるのを
止めさせたいのだろうが

「うむ。それは難しい、相談だ!」

そう言う 言い方がまた 可愛いからな

「もう、違うって言わないので、
止めてもらっても?」

そんな風に 乞われてしまうと…余計に…

「褒められるのは、嫌なのか?
君が嫌なら、しつこくするのはやめるが…」

「そんな事ばっかり、言ってないで、
食べないんですか?」

弁当を食べる手が止まっている事を
指摘されてしまった
杏寿郎が思い出した様に
また勢い良く平げ始めた

「うまい!うまいっ!うまぁい!」
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