第30章 蝶の入れ知恵とほどほどの戯れ ※R-15
「…杏寿郎、ここ。
大きく…なって来てますよ?」
「これはっ…その…、
君がそんな事を言うからであって。
あげは、聞いているか?
…俺は必要ないと、言ってるんだが?」
「じゃあ、これは……
どうして、こうなってるの?」
ナデナデとその上から
そこを撫でられると
少しばかり盛り上がってた部分が
寝巻越しではあるが
硬さと熱を帯びて行くのを感じて
はぁっとあげはの口から
熱い吐息が漏れた
「でも…、私が言った事が
これの原因なのでしたら…
お手伝い…致します…よ?杏寿郎」
そんな表情をして
そんな声で
そんな言葉を言われたら
その申し出を断れる男なんて
居るのだろうか…?
「後…、杏寿郎が…私の手や口を
煩わせるのに
抵抗がおありなのでしたら…。
しのぶちゃんから…
聞いた話ではあるのですが…。
その、そうしてるのに
近い感じの…方法が…。
どうやら、あるらしくて…ですね?」
そう気恥ずかしそうにしながらも
そんな提案をして来る…のか
「それは…、胡蝶がそう…言ったのか?」
「その…手とかでそうするより…。
本当にしてる感じに近いからと…
それに…ビードロのお礼にと
これを…貰ってしまいまして…、
しのぶちゃんに贈ったビードロは
杏寿郎に買って頂いた物ですし…」
だったら胡蝶からの礼は
自分が受け取るのではなくて
俺に返すべきだと言う……
彼女らしい考え方に基づいての
行動と…言うことなのだろうが…
視線を逸らせ
気恥ずかしそうにしながらも
杏寿郎の前に薬瓶を置いて来て
「これは…?」
「その…通和散の様な物です…。
しのぶちゃんが言うに…、
これを使ってそうすると
殿方は……お喜びになるとか…」
ゴクリと思わず
あげはの言葉に固唾を飲んでしまった
全くそう言った触れあいが
出来ないのも
致し方ないと思って居たのに
彼女の方から そうしてくれると
申し出てくれるとは
俺としても
願ってもない事ではあるが…