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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第30章 蝶の入れ知恵とほどほどの戯れ ※R-15


あげはが風呂を済ませて
部屋に戻ると
杏寿郎の姿はなくて

てっきり今夜は布団をくっつけて
敷いて待っていてくれているかと
そう思ったんだけども…

「昨日は、敷いて貰っちゃったし
私が、今日は敷いて待ってようかな?」

布団二組並べて敷いて
鏡台に向かって支度を整えていると
ガラッと襖が開いて杏寿郎が戻って来た

「あれ?私の気のせいでなければ。
杏寿郎…から、
香油の匂いが…ってそれ、
私の香油ですけど?禰豆子ちゃんの
髪につけすぎたんでしょ?
凄い匂いしてるんだけど?」

あげはが手を伸ばして来て
香油の入った瓶をあげはの手に戻す

その減り方を見たら
明らかに目減りしてたいので

「竈門妹は、髪が長いからこれぐらい
要るのかと…って、もしや。この香油は
いつも君が使ってる香油か?」

「そうですよ…、
あのサーカスの時も使ってましたけど?
しのぶちゃんのお土産です」

「そうか、量の加減が
わからなくて…だな。
使いすぎてしまった。
今度…、新しいのを贈るとしよう。
だが。…俺があの時
いい香りだと感じたのは
香油の香りでなくて、
君自身の香りだったんだが?」


鏡台に向かって座っている
後ろから抱きしめられて
首筋に鼻を近付けられる

「もう。
嗅がないで…下さいっ。杏寿郎。
それに、香油の、ことは気にしては
おりませんよ?」

「君が気にしなくとも…な。
もっと、…嗅ぎたいが?
風呂上りなんだから
嗅がれて、困る事はないだろう?」

あのサーカスに二人で行った時にした
やりとりをふと思い出して

「そう言えば…あの時。嗅いでもいいって
杏寿郎、私に言いませんでしたか?」

「ああ。言ったな!それが、どうした?
いつも、俺に嗅がれるばかりだから、
君からも嗅ぎたいのか?」

「そうですね。
偶には嗅がれるばかりなのも
釈然としませんし。
こちらから嗅いでも…
いいかもしれませんし…ね?」

そう言ってあげはがにっこりと
笑みを浮かべる

昨日の夜といい 今日の夜といい

そう言う時期だから

そう出来ないと言う
了解の元なのに

いやだからなのか
あげはは妙に…触れたがると言うか

「その…今なら、そうならずに
杏寿郎に触れられるかなぁって…」



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