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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第29章 蝶々達の戯れと入知恵


何かが背後で落ちたようなそんな音がして

その時に 声が聞こえた


「あげは姉さんっ!!」


普段大きな声を出したりしない

カナヲが大きな声で
私をそう呼んで来て

「カナヲ…?…」

そのまま後ろからカナヲが抱きついて来て
ギュウウっと縋りつかれる

「ごめん…なさい。姉さん。
姉さん達が、悲しんで苦しんでるのに…。
何もできなくてっ…、私」

「カナヲ…、いいのよ。ありがとう。
カナヲは…、
こんなにも優しい、いい子だもん。
姉さん、嬉しい…こんないい子の
お姉さんになれて。幸せよ?…カナヲ」



「幸せに。
幸せに…なってって、カナエ姉さんが」



カナヲの方に
あげはが身体を向き直ると
そうカナヲが言って来て


「あげは姉さんに、
ずっと…笑っていて欲しいって」


「カナヲ…それ、
カナエちゃんが言ってたの?」


カナヲがゆっくりと
あげはの問いかけに頷いた

そのまま瞼を閉じて
自分の記憶を思い返す



ーーーーー


あれはまだ 
カナエ姉さんが亡くなる少し前

縁側で日輪刀の手入れをしていた
カナエ姉さんが

その手入れをしている手を止めて

おいでおいでと
手招きをしてカナヲを呼び寄せると


「ねぇ、カナヲ。お話しましょ?」

「え。あのっ…、私、話は…」


クシャっとカナヲの頭を
カナエの手が優しく撫でて


「お話は…得意じゃない?
ねぇ、カナヲ。姉さんの
大事な話を…憶えていて欲しいの。
もし、私に何かがあって
…私が、あげはちゃんの
側に居られなくなった時に
…伝えて欲しいの」

ギュウウっとカナヲの身体を
カナエが愛おしむ様にして抱きしめると

「…カナエ姉さん?」

あまり 表情を変えないカナヲが
少しばかり驚いた顔をして
それから 少し嬉しそうな顔をした

「姉さんはね、
もちろんしのぶの事も大好きよ。
でもそれと同じくらい
カナヲの事も、あげはちゃんの事も。
アオイの事だって、
すみ、きよ、なほの事も
みーんな、大好きなの…。
みんな大事な、私の家族。
みんなに、幸せになって欲しいのよ?」

「幸せ?」

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