第29章 蝶々達の戯れと入知恵
「ホラ。あげはさんが、
してる呼吸だよ。さっき一緒に
霹靂一閃した時に聞こえたんだけど。
炭治郎達も見てたでしょ?
アレの事じゃない?
アレだよ、きっと。」
「凄いな。
善逸は音でそんな事までわかるのか。
でも、何がどう違うんだ?」
「もしかして、それが、しのぶが言ってた
特別な呼吸って訳かっ」
正直… 驚いているのだが
ここまで少年達の勘が鋭いとは
2人に説明を求められて
善逸がどう説明をしようかと
言葉を詰まらせていると
「あっ、そうか…!」
と今度は炭治郎が声を上げて
「あ?どうしたんだよ?
何か分かったのかよ。権八郎?」
「確かに善逸の言っていた事が
正しいんだと思う。
呼吸…あげはさんの呼吸と
…善逸の雷の呼吸…。
あの時…あげはさんから
異なる呼吸の匂いがしてた。
一つは鏡の呼吸それと…、
善逸と同じ雷の呼吸の匂いだ!」
「そうそう!そうだよ、炭治郎。
違う呼吸の音がしてた訳っ」
「なんだ!それかっ、その事かよ!
ビリビリってしてんのと
キラキラってしてんのだな?」
伊之助の言葉に炭治郎と
善逸が伊之助の顔を見てて
「うん。悪い伊之助、全然わからない」
「いや、それじゃ、分からんでしょ?」
「いいだろーがよ!
俺様がわかってんだから。
だったら、あげるがしてたみてぇに
したらいいって事か?」
炭治郎が自分の手にある
瓢箪を眺めていた
「あげはさんがしてたのは…、
恐らくだけど…
二つの呼吸を同時に使う方法だ。
俺には水の呼吸とヒノカミ神楽があるから。
あげはさんと、同じ事が出来るかも知れない。
けど、あげはさんは…俺だけじゃなくて
善逸と伊之助にも同じ課題を出した」
「じゃあさ、炭治郎。
もしかすると、アレなんじゃない?
異なる呼吸じゃなくても
同じ事ができるんじゃないの?」
「おおっ!!そうか。流石俺の子分だな!
ぬはははっ、褒めてやる。
…だがな!
俺様もそう思ってたからな!
俺のが先に思ってたからな!」