• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


その姿が視界から消えたのを見届けると

フッと瞼を閉じて

ポケットに両手を入れて


また 歩き出した

何事もなかったかのようにして



「これでいい。やめだァ。
…全部、これでいい上等じゃねぇかよ。
俺には、…必要ねぇ。そうだろうがよ。
鬼を殲滅するだけだァ、そんだけの事ったァ」


一瞬 ほんの一瞬だけだったが

フワリと 後ろから
温かい何かに包まれたような

そんな気配の様な物を感じて…

鼻先を掠めたのは

大分前に嗅いだ… 懐かしい匂いだった



ああ そうかよ

そう言う 事かよ



不死川の頬を 一筋涙が伝って落ちた


「ったく、…酷ぇ女だなぁお前等はよォ。
揃いに揃って、そんなんかよ。お前等ァ
俺に…、言わせてもくれねぇ…のかよ。
言わせても、くれねえ…もんなァ。
……なぁ、怒ってんのかァ?」


もう 今は感じない

懐かしい気配に対してそう言うと


情けねぇなぁ… 俺ァ

肝心な たった一言を

伝える事も出来ずに


不死川が空を見上げると

ひらひらと飛んでいるのが見えた


その蝶は 一匹だったのか

それとも 二匹だったのか…


たったひとつだけ 
思い当たる節があるとするなら

ここへ来る前に
胡蝶に言われた言葉を思い出した


「二兎を追う者は一兎をも得ず…だわな」


そう言うと
そのまま不死川の後ろ姿の



殺の一文字は… 雑踏の中に溶けて行った






























































ーーーーーーーーーーーーーーー


巡る流れと蝶と蝶
最後までお読み頂きありがとうございました。

いとまと理由の部分で、不死川さんの
事だけを書いてませんでした。
彼の理由はこっちでと考えていたので。

さてさて、こちらの3人と言うか
透真さん入れると4人だったり
するんですけども。
時間軸のずれのある、年単位の
四角関係が拗れた人達だったりします。

この4人の関係はこれ以上の部分まで
踏み込んで書いたら、これで1本
長編書ける勢いになりそうなので。
透真さんの行方不明後は変な
三角関係になってたんですけども。

その辺りは、ニュースで書きます。
書ききれる範囲で。
/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp