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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


「…俺は何にも知らねェ。
コイツに俺が頼まれたのは、
自分が、話さないといけない事を
お前にちゃんと話したのか
確認して欲しいって。
そう言われただけだァ…。
それ以上でも、
それ以下でもねェ…どした?」


不死川からの返事は

何も知らない…だった


あげはが俯いて
自分の胸の前でギュッと手を握って
何かに耐える様にして瞼を閉じる

確かに 不死川君は何も知らない
けど 気が付いた事があった


だけど それは…


不死川君が そこまでの事を

本当に 知らなかったとしても…

知っているのを
隠しているんだとしても…

そのどちらで あったにしても…だ


それを カナエちゃんが

不死川君に託したと言う事は

カナエちゃんは…多分
不死川君の事が…


「話は…、
しのぶちゃんから…聞いたよ…。
だから、知ってる。大丈夫…」

「オイっ。お前っ…、
大丈夫って顔かァ?
それ。酷い顔してんぞォ…」

「不死川…君っ…。大丈夫っ、だから」


今にも 
そんな泣き出しそうな顔しちまって

コイツは…嘘が下手くそな奴だって
そんな事位 付き合いも長いんだ

俺だって知ってらぁ

その顔は 大丈夫って顔じゃねぇつぅーの


ああ もう 
しゃあねぇ 奴だなコイツはよ

俺が… 悪いんじゃねぇからな?


煉獄… 許せェ


不可抗力…だァ


お前が ここに居ねぇのが 全部 悪ィ


そのまま 不死川に腕を掴まれて
グイっと凄い力で引き寄せられる

無言のままで そのまま
身体を胸に預ける様に促されて


顔を見られたくないと

私が 思ってるのを

察してくれたのか


自分の胸に埋める様にして
後頭部を支えられる


「不死川っ…く、ん」

「黙ってろ。何も言うなァ…」


「ーーっ。……う、ん」

「ああ。…それでいい」


背中に添えられていた
不死川の手が
あげはの背中を撫でる

大きくて温かくて
不器用だけど 優しい手…だ

やっぱり 不死川君は優しい
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