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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


「わぁったよ。いっつもお前にも、
アイツにも世話、なっちまってっしな。
引き受けてやんよ。」

そう言って 
片手をポケットに突っ込むと
空いている方の手を
ヒラヒラとカナエに振った

「ありがとう。不死川君」

診察室を出て行く
不死川の背中に向けて
カナエが礼を言った



しばらくして そろそろ不死川の
話も済んだ頃だろうかと思って
水を汲んで戻っては来てみたけど

そう思いつつ視線を
目的のカナエの墓の方へ向けると

あげはの目には
カナエの墓の前に立っている

不死川の様子が いつもと違うと

そう気が付いた

「水。汲んで来たのかァ。
あげは、さっさとこっち来い」

「汲んで来たのは、
汲んで来たけど。何なのよ?」

早く来いと急かされて
あげはは不死川の元へ急いだ

すぐ 近くまで移動すると
一定の距離を開けて 足を止めた


「あげは。お前に…聞きてえ事がある」

「聞きたい事?いいけど」


カナエの墓に向けていた視線を
不死川があげはの方へ移して来て

その鋭い双眸が私を見ていた



「コイツは、カナエの奴は…結局
お前に話、出来たのかァ?」



「…ーーーーっ!どうしてっ、
不死川君がそれを…、知って」



心が 波打つ

それも 激しく

一瞬で 泡立って逆立って行く


ドクン ドクンと
心臓が脈打つ感覚を強く感じて


不死川君は 知ってるんだ


カナエちゃんが抱えていた秘密を…

知ってたんだ ずっと前から…


ゴクリとあげはが固唾を飲んだ


「不死川君は…どこまで、知ってるの?」


そう 恐る恐る 
確かめるかの様にして
あげはが不死川に問いかける


もしかしたら しのぶちゃんが

知らない事実を 

彼が

不死川君が知ってるんじゃないかって


不死川からの 返事を待つ

彼からの返答があるまでの

数秒が その一秒 一秒が

酷く 長く 感じてしまう…

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