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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


「ああ。落ちましたよ」

そう言って目の前の隊服姿の男が
落ちたライターを拾い上げて

こちらに向けて 差し出して来て

「どうぞ」

「すいません…。ありがとうございます」

差し出された 
ライターを受け取ろうとして


その時に…

お互いの顔を

初めて…見た


「…っ、カナエ…、ってんな訳ねぇか。
あげは、お前かよ。
んな、紛らわしい頭してんじゃねェよ。
一瞬、アイツかと思っちまった…しよ?」

「頭と言うか、
髪型って言って欲しいんだけど?
別に、不死川君には関係ないでしょ?
てか何で、ここにお墓参りとか?」

とは聞いてはみたけども
ここは鬼殺隊の共同墓地なんだから
それ以外にここに来る用事なんてない

「それ以外に何があるってんだよ?
んな所。墓しかねェだろうがよ。
墓参りに決まってんだろ?
他に何しろってんだよ。
あげは、お前、バカにしてんのかァ?」

「別に、バカにはしてないけど。ちょっと
意外だなって、驚いただけ…だし?」


よりりもよって

カナエちゃんにだけ見せるつもりだった
この髪型にしているのを

不死川君に見られるとか…

ついてない…


「けど、そうしってと。
…似すぎだろ、アイツに…。
やっぱ、似てんのな。お前ら」

「それは…、そうだけど」


「そいやぁ、アイツが死んじまってから、
お前がその頭してんの、見てねェな…」

不死川に指摘されて
あげはが風に吹かれて
乱れた髪を押さえながら
視線を遠くへと移した

「それはそうだよ。あれ以来…、
この髪型にはしてないもの。
今日は…ね、カナエちゃんに
話したい事が沢山あって来たの」

「そうかい。そりゃ随分と、
気が合うじゃねぇかよ。俺もだァ」

「ねぇ、不死川君。だったらさ。
先に行って話して来たら?
話。私が居ない方がいいでしょ?
その間に水汲んで来るし、
ここから、ちょっと井戸…離れてるから…」
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