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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


これから 出かけるって言うのに…

笑っててって 笑顔で居てって
笑顔を忘れないでって言われたのに

泣いてばかりだ…


鏡に向かって 

あげはは精一杯の笑顔を作って見せる


「っと、
こんな事してる場合じゃなかった。
話は、…あっちでしたらいいもんね。
肝心な物持って行かなくちゃっ!」

風呂敷包みを持って
そのまま玄関へと向かった
草履をはいて玄関を出ると

シィイイイイッ…と
雷の呼吸を使って
一気に駆け出した

しのぶちゃんには
鴉を環を飛ばしておいたけど
午前中は用事があるから
午後にして欲しいとの
返事だったので

先にカナエちゃんが眠っている
鬼殺隊の共同墓地を目指した

あげはの手にはこの前
杏寿郎に買って貰った
色違いの蝶の柄のビードロがある

「カナエちゃん、驚くかな?私と
杏寿郎が結婚するって言ったら…」


ーー その頃


蝶屋敷を後にした 不死川もまた
鬼殺隊の共同墓地を目指していた

墓地について
持ってきていた線香に火を付けようとして

ポンポンとポケットの上から手で叩くも
ライターを持って来るのを忘れていた様だった

確かに 出る前にポケットに
突っ込んで来たと思って居たが
どこかで落としてしまって居たようだ


「火ねぇし、ついてねェ…」

「もし、お困りでしたらどうぞ」


そう隣から声を掛けられて
伸びて来た手から
差し出されたライターを受け取る

「あ、どうも。すいません」

自分もその後に持って来ていた
線香に火を付けようと
荷物の中をごそごそと物色していて

あげはは違和感を感じた

その声を聞いて 引っ掛かった

その口調との違和感を感じた

あれ?この声ってもしかして…


「すいません。これ、返します…」

「ああ。はい、すいませんっ」

返って来たライターを受け取る時に
ライターの上から 差し出されている
その手を一緒に握り込んでしまって

「す、すいませんっ」

はっとしてそれに気づいて
慌ててあげはが手を離して

ライターが地面に落ちて転がる
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