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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


カナエちゃんから 
この蝶の髪飾りを貰った時

カナエちゃんが
私に向かって言った言葉…

その時の事を思い出す

ー『ねぇ、あげはちゃん。
コレ、私とお揃いにして付けてくれる?
きっと似合うわ。
あげはちゃんは、可愛いもの』ー

お揃いにして欲しいと
可愛いと言われて

照れくさくなってしまって
同じ顔でしょって返したけど

でも カナエちゃんが
期待した眼差しで私を見ていたから

カナエちゃんと同じようにして
降ろした髪に蝶の髪飾りを付けると

私を見て  まぁ 双子みたいって
カナエちゃんが笑って 喜んでくれたから

その日から 私は…


「カナエ…ちゃん」


カナエちゃんとお揃いにして

ずっと…これを付けてた


私が…これを そうしなくなったのは


カナエちゃんが亡くなってから

カナエちゃんとお揃いにした
髪型をしている自分を
見るのが辛かったから


似てる… 似てるから

自分とカナエちゃんが 似てるから


こうして 降ろした髪に
この髪飾りを付けるのは
随分と久しぶりに感じる

カナエちゃんとお揃いの髪型


その姿が鏡に映っていて

自分の顔を見ているはずなのに
そこに居ないはずのカナエちゃんが

微笑んでいるかの様に見えて


涙が自然と零れて 頬を伝っていた


「あげはちゃん。
しんどい時も、辛い時だって。
どんな時でも、笑顔を忘れずにね?」


あげはが鏡に映る自分に向かって

そう言った

かつてカナエちゃんが

自分にそう言ってくれたように


私…好きだなぁ~ あげはちゃんの笑顔

だって 見てたら 元気になれるもの

だから 笑っていてね?

どんな時でも… 

貴方には 笑顔でいて欲しいの…


「私も、好きだった。
カナエちゃんの笑顔。
穏やかで、優しい
…カナエちゃんの笑った顔…っ…」


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