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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


午後からの稽古を休ませてもらう
つもりだったけど
杏寿郎が行っていいと言ってくれたから

これから蝶屋敷と
カナエちゃんの所へ向かうべく

あげはは支度を整える為に
自室へと戻った 


カナエちゃんとゆっくり話を…

渡したい物もあるし…


墓参り…するのも

随分と久しぶりだ 


いつもは 仕事の合間で忙しくて
墓参りその物も
慌ただしい事が多かったから

「着替え…しなくちゃ…ね」

身に纏っていた稽古着を脱いで
ポニーテールに纏めていた髪を解くと

普段着の着物に着替える

鏡台の前に座って
櫛で丁寧に髪を梳いて行く

いつのも二つに分けたお団子に
結い直そうかと考えて纏めかけて

ふと ある事を思い立って手を止めると


その髪を再び下した


そっと 鏡に映る

髪を降ろした自分の顔に目を向ける


初めてカナエちゃんと出会った時

私と彼女は生き別れた
自分の姉妹か何かなのかと思った


それ位に 顔が似て居たから


驚いていたのは 私だけじゃなくて
あっちもだったんだけど

当然周囲の人も
私とカナエちゃんがあまりにも
そっくりだから

双子だと思って居る隊士も大勢いて
私の事をカナエちゃんだと思って
話しかけて来るとか
その逆もあったりもしたっけ…?

「もう…、そんな事があったのも
随分と…、前になるのね…」


カナエちゃんが 亡くなった後


しのぶちゃんが
ああするんじゃなくて

そのしのぶちゃんの為にも…

自分が そうした方が
良かったんじゃないかって

そう悩んだ時期があった…

そうした方がきっと しのぶちゃんは
楽だったんじゃないかって

「でもね、言ってくれたの。
しのぶちゃんが、あげはさんは、
あげはさんだからって
カナエ姉さんの代わりに、
ならなくてもいいって…」
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