第28章 巡る流れと蝶と蝶
煉獄さんが言っていた
その三か所に 2人が蹴って生まれた
衝撃の後の波が
形跡として見えるだけだった
そして最後に指定した
庭の隅にある一本の木の所で
閃きが見えた
ガキィンッと刀がぶつかり合う音が
それから遅れて聞こえて
納刀した二人が
そこの木の下にいつの間にか立っていて
「ありがとう、善逸君。
これで光明が見えそうよ」
「ええ?俺には何だか、
意味が分からないんですけど?
でも、あげはさんの
お役に立てたんだったら。
それでいいけどね。
こんなんで良かったの?」
「お寿司」
とあげはがポツリと言って
「え?何?お寿司がどうかした?」
「だから、お礼。
お寿司買ってきてあげるって
言ってるんだけど?
善逸君、好きでしょ?お寿司。
だから、鰻の箱寿司買ってきてあげる」
「えええ?いいの?ホントに?
俺、霹靂一閃しただけなのに?
いいのぉおお?ひゃっほう!」
「ああ。善逸君にだけじゃ悪いから。
皆にも買って来るね?
詰め合わせでいいかな?」
そう言いながら
あげはがこちらに向かって
問いかけてくる
「それ、美味いのか?」
と伊之助があげはに問いかけて
「勿論、木寅屋さんの箱寿司は
有名だしね美味しいよ?
杏寿郎は、ご存じです?
美味しいですよね?」
「そこは、箱寿司で有名な店だが
…買いに行くと言ったか?」
「ええ。杏寿郎。お願いがありまして。
私、午後はお休みを
頂きたくあるのですが?
それを買いに行くついでに、
蝶屋敷ともう一か所…
行きたい場所があるので…」
蝶屋敷と聞いて 納得が行った
木寅屋でなくても
箱寿司の有名な店ならば
この近くにもあるからだ
蝶屋敷のある方角ならば
木寅屋のある方だからな
あげはが蝶屋敷に行きたいと言う
理由も例のオート何とかの話だろうし
そのついでに寄りたい場所も
杏寿郎には大凡の検討が付いて居たからだ
「あげは。ならば、午後からと言わず。
今からでも向かうといい。
少年達の稽古なら、俺一人でも十分だ」