第28章 巡る流れと蝶と蝶
ストンと善逸がどこからか
姿を現して 着地する
「ねぇ。これでいいの?」
そう善逸があげはに対して
これでいいのかと確認を取って来て
「うん。多分…大体良さそうかな?
もう一回だけ…、いいかな?
あ、それ、三連にしたり出来る?」
「え?三連…に。それは全然出来るけど。
六連するのを、半分で止めるだけでしょ?
出来るよ。それでいいの?」
「いいけど、それとね…」
あげはが善逸に向けて
庭の目印となる場所を
三か所提示して
善逸があげはのその提示に対して頷いた
スッとあげはがその場で
瞼を閉じると納刀したままで構えを取る
あの構えは 霹靂一閃…だよな
そしてあげはと少し距離を取って
善逸も同じように霹靂一閃の構えを取る
そのお互いに向かい合わせに
構えを取る姿は
まるで 鏡を向かい合わせて置いたように
ピッタリと 正確な
鏡合わせの様に見えて…
シィイイイイッ…
フゥーーウウウッ
そこで炭治郎は違和感を感じた
あげはさんは
霹靂一閃が使えるはずなのに
善逸は雷の呼吸をしてるのに対して
向かい合うあげはさんは
雷の呼吸をしていない
どういう事だ?
「呼吸が…違うっ」
「ああ、そうだ。
竈門少年、良く気が付いたな…」
「あん?なんで紋逸の技出すのに、
あげるは違う呼吸してんだよ?」
「一瞬だからな。良く見て置くといい」
「いや、でも、煉獄さん…。
霹靂一閃は流石に俺には見えませんよ…」
「いいか。さっきあげはが指定した
三か所、近い方から、あそこの庭石、
それから蔵の壁面、
そして最後があの木の幹だ」
見て置きなさいと杏寿郎が言って
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 三連!」
「鏡の呼吸 肆の型 鏡眼複写」
ドンッと地面を蹴る音が重なって聞こえて
2人の姿が消えた