第28章 巡る流れと蝶と蝶
その善逸とあげはの会話を
少し離れた所から聞いていた
杏寿郎が隣に居た炭治郎に声を掛けた
「さっきから、
あの2人は何の話をしているんだ?」
「ああ。煉獄さんはご存じないんですね。
善逸は雷の呼吸ですけど、
使えるのは壱の型の
霹靂一閃だけなんです。
でも、善逸はその霹靂一閃をアレンジした、
善逸だけの独自の霹靂一閃を使えるので」
「そうだったのか。
彼だけの霹靂一閃があるのか。
それは初耳だ!
後で俺も、それを受けてみるとしよう」
「ちょっとぉーーー!
炭治郎ぉおおっ!!
何言ってるんだよ。
余計な事言わなくていいし」
耳のいい善逸には
俺が煉獄さんに
言った事が聞こえて来て
煉獄さんが
それを受けてみたいと言ったから
こちらに不満を言って来たのだが
「竈門少年、嘴平少年」
「あん?どうしたんだよ?
ギョロギョロ目玉」
「君達はあげはの使う、
鏡の呼吸はあの時…見ていたな?」
あの時と言うのは
あの猗窩座と言う鬼と戦った時の事で
「あげはの左の目…を、
見て置くといい」
そう二人に聞こえる様に言った
「あげるの左の目?
目がどうしたてんだよ?」
「いいから、見ていれば分かる…」
「あん?あげるの目がどうしたってだよ、
訳わかんねぇ事、言いやがって」
善逸はあのいつもの
霹靂一閃を放つ構えを取っていて
それに向かい合ってあげはが立っていて
キィイイイイン…と
金属音の様な そんな音がして来て
シィイイイイッ…
善逸の纏っている空気が変わった
バチバチと周囲が放電を始めて
彼の髪がその気の渦でなびく
「雷の呼吸 壱の型…」
「鏡の呼吸 参の型…」
閉じていた目を善逸が見開く
「霹靂一閃 六連っ!!」
「鏡眼」
ドンッ…
善逸が地面を蹴った音がして
善逸の姿が消える
見えるのは 善逸が移動した後に残る
その衝撃の一部の様な物だけだ