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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


「はっ、言ってくれんじゃねぇかよ。
俺ァ、兎なんざァ
追いかけちゃ居ねェよ。
俺が追いかけてたのは、
蝶々だろーがよォ。
それとも、アレかァ?
俺が蝶々なんざ追いかけるのは、
柄でもねぇっとでも言いてえのか?」


そう言い終わって
不死川が顔を上げた時に

目の前の さっきまで
嫌味のこもった笑みを称えていた女の

顔が 目が変わったのに 気が付いた

 
その表情は まるで…


「追いかけて…?
私にはそんな風に、
見えませんでしたが…。
追いかけた所で、
捕まえもなさらないのに?」

「…そんなん、
俺の勝手だァ、放っとけェ」


「不死川さんは…、
優しすぎなんですよ」

「うっせェ。
放っとけつっただろーがァ。
俺ァ、優しくなんかねぇしな。
優しくなんか…ねぇよ」


「優しいんじゃなくて、
優しすぎなんですよ。
不死川さんは、だからでしょう?」

「あん?」

「今日、貴方がここに来た理由ですよ。
2人の姉の事だけじゃなくて、
その妹の私の事まで、
気に掛けたりするから…。
それに…。
不死川さんは、待ちすぎなんですよ。
強引にでも、捕まえたりしないから。
だから逃げちゃうんです、蝶々…」

そう言葉の後半は力なく
しのぶが言った

「で、お前は。
どうなんだ、いいのかァ?」

「私の答え、要ります?
どっちの姉の為にも、
私にはこの戦いに参加する意味も、
勝たなければならない、
意味もありますから。
そして、私自身の為にも
そうする理由がありますので。
不死川さんに
ご心配をして頂くには及びません」

そう言い終わる頃には
不死川はドアの前に移動していて

「そぉーかぃ、そりゃ。上等だァ」

スッと手を上げて
そのままこちらを見向きも
返事を待つ事もなく


不死川はしのぶの元を後にした
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