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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第4章 ちょっとだけ 分かったこと


「なら、大きな声でなくて、
耳元で囁く方がいいのか?」
「それもダメですっ!」
「君はダメが多いな」
杏寿郎が不服そうに言った

「与える選択肢が、
極端すぎなんですってば!」

でも… もう 私のせいで 
誰かが死ぬなんて 嫌だし
私の為に 死んでも…いいなんて 
言って欲しくもない…

「さっき、君の体を支えた時に
気が付いたんだが…」
「気がついたって、何にですか?」
キョトンと目を丸くさせて
あげはがこちらを見ていた
「やはり、あの時感じた香りは。
君の…香りだった様だ」

サーカスの時に言ってた 香りの事だろうか?
でも あの時は髪の香油の匂いじゃないって…
他には何も…香りのするようなものは
…つけてないのにって

「って、もしかして、嗅いだんですか?」
慌てて事の次第を杏寿郎に確認する
「違う、誤解だ!わざとじゃない!
…不可抗力だ…それに」

それに…?

「嗅ぎたいと言っても、
嗅がせてはくれないだろう?」

「ちょ、ばっ、何を言ってるんですか!
当たり前じゃないですか!
じゃあ、煉獄君は私が、
君の匂いを嗅ぎたいって言ったら、
どうする訳?」

「別に…、構わないが?嗅ぐか?」
え?ちょっと 何を言ってるのか理解が…
「昨日、風呂には入ってるし、
今日は鍛錬もしていないしな!いいぞ!」

違う 違う 違うし!そんな事じゃないし!
全く!何を言ってるんだか この人は…
やっぱり バカなんじゃ…ないかと…思う

「どうした?俺は、構わないと言ってるが?」
嗅がないのか?と問いかける様に
両手を広げて見せた

「か、嗅ぎませんからね!」
「遠慮はいらんぞ?」
「遠慮します」
「そうか。…まぁ、そうしたいと思ったら、
いつでも言ってくれ!」
「言いませんし、嗅ぎませんから!」
「そう怒るな。冗談だ」

全く この人と居ると
ペースを乱されてしまう
自分がそうだって思ってた事も
彼にかかればそうでないことにされてしまう

自分で決めて 選んだ事なのに
その決心が 揺らいでしまいそうになる…

あの人を断ち切ることができなければ…
私は ずっと このままで
私が 柱を辞めても 鬼殺隊に残っているのは
自分の手で 
終わらせたいと思っているからなのに
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