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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶



コンコン

診察室がノックされる音がして
その音にしのぶが慌てて
自分の身体の後ろにビードロを隠した

「どうぞ?」

平然を装ってそうノックへと
しのぶが返すと

ガチャとドアが開いて
中に入って来たのは不死川で

「よォ。邪魔すんぞォ」

片手を上げながら
不死川が診察室に入って来る

でもその様子はいつもと違っていて
手には白い菊の花束を持っていて

「どうかなさったんですか?
不死川さん。何の連絡もなしに。
…それにその花」

不死川がその白い菊の花束を
自分の肩に乗せる

「ああ、その…、なんだァ、
…顔、見に行こうと思ってよ。
こっちに寄ったのはついでだァ。
ちいっとばっか。胡蝶…、
お前に聞きてぇ事があってよォ」

珍しい事もあるものだと
しのぶは驚いていた

「珍しいですね。不死川さんが
…私に聞きたい事があるだなんて」


眼光は鋭いのに

優しい目なのだ

この不死川さんと言う人は

不思議な目をしていると
そう思わずに居られない


「いいのかァ?」


不必要な言葉も
必要な言葉すらもなくて

不死川さんはそれだけ 問いかけて来た

でも 無駄な言葉こそはないが

彼が聞きたい事の要領は得ているのだろう


「何かと思えばその事ですか。
いいに決まってますよ。わざわざ、
お聞きになられる事でもないのでは。
それに、その件については、
私がどうこうと言う問題ではないですし。
それを言うのなら、
不死川さんの方こそ…いいんです?
私からすれば…、甘露寺さんは人がいいので
理由がなくても分かるのですが…。
貴方がそうなさる理由が…、私にはわかりません」


理由がわからないと

そう しのぶが不死川に言った


コイツが聞きたいのは
どうして俺が この戦いに参加するのか

宇髄や冨岡 そしてコイツの様な


三上透真との直接的な

因果関係が

俺には無いから…かァ


「………さぁな…。
どうだかなぁ、俺にもわからねぇよ」



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