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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第28章 巡る流れと蝶と蝶


「あげは。俺は先に
竈門少年達と稽古をしてくる。
君は、ゆっくり身支度を
整えてから合流するといい」

そう言って 
私の頬に口付けると

そのまま部屋を出て行ってしまった

そして どうして

杏寿郎が私にゆっくり
身支度を整える様に言ったのかを
直に理解する事となるのだが

杏寿郎が襖を開け放ったまま
行ってしまったので

廊下にいた春日さんと
目が合ってしまった

「あの、すいませんっ。あげは様。
もしかすると、
もう少し後の方が良かったでしたか?」

この屋敷の中では
私の事は鏡柱と呼ぶように徹底してあるが
春日さんは 2人きりの時はこうして
私の事を名前で呼んでくれるのだ

「いえ、すいませんっ。
助かりました…春日さん」

「あ。ここの所、後で
白粉はたいた方が良さそうですね」

そう言って ここと春日が
自分の首を指さして言って来て

もしやと思って
三面鏡で
先程口付けられた首筋を確認すると

そこには杏寿郎の付けた
赤い跡がくっきりと残っていた

後でくどいほどに不満を言ってやろうと
思いながら 春日に言われた通りに
その部分を隠すようにして
多めに白粉をはたいた

「杏寿郎のバカッ
…何なの?もう、信じられないっ…」

ぶつぶつと彼への不満を露わにしながらも
自分の身支度を整えると
あげはも朝の稽古に合流する事にした





蝶屋敷では

医療用品のパンフレットを
しのぶが診察室の机の上に広げて

購入するオートクレーブをどれにするかを
思案していた

あげはさんから送られてきた荷物には
それぞれに宛てて ビードロが入っていて

私には紫色の蝶々の柄のビードロだった

「もう、あげはさんったら。
私はもう、子供じゃありませんし?
こんな物貰っても、私は喜びませんよ~」

そう言いながら
つんつんとそのビードロを
しのぶが指先でつついた

「別に…。あげはさんが居なくて
淋しいとかそんなんじゃ…ありませんし?
ありません…、そうです、ありません。
ありませんから、淋しく…なんか」

ふうっと息を吐いて
呼吸を整えると

「やはり…、私は未熟者…なのでしょうか?」


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