第28章 巡る流れと蝶と蝶
稽古の後は
夕食を済ませて
それから 入浴も済ませた
炭治郎達がバタバタと廊下を歩いてる
歩いているだけなのだけども
年頃の男の子が3人も要れば
家の中が賑やかになるなと
あげはがそう思って居ると
炭治郎が他のふたりに合図をして
別れると こちらへ近づいて来る
「あ、あげはさん。
あの、お時間大丈夫でしょうか?」
「うん、大丈夫だよ。
あ、炭治郎君。禰豆子ちゃんに
渡したい物があるんだけど…。
お部屋にお邪魔してもいいかな?」
目の前の炭治郎の顔がぱぁっと
明るくなって
「はい!勿論、是非に。
禰豆子もあげはさんに
会いたがっていたので。
禰豆子もきっと喜びます」
「じゃあ、渡したい物
部屋に取りに行って来るから、
先に戻ってて貰ってもいい?」
「はい。俺、部屋に戻って、
禰豆子に伝えてきます」
禰豆子ちゃんに渡したいと思って
用意していた物を取りに
あげはが部屋に戻ると
髪を乾かしてくつろいでいた
杏寿郎が声を掛けて来て
「どうかしたのか?
あげは。忘れ物でもしたのか?」
「ええ。そうです。ちょっと
お風呂の前に、炭治郎君達の部屋に
行こうと思って」
ガシッと手首を
杏寿郎に掴まれてしまった
「君は何を言っているんだ?
今は夜だぞ?」
「え?でも夜じゃないと
出て来れないじゃないですか。
禰豆子ちゃん」
禰豆子…ちゃん?
竈門妹の事か…
その名前を聞いて
あげはの手を掴んでいた手を
杏寿郎が離した
「ああ。…竈門妹の所か、
なら行くといい」
「もしかして、気になる?だったら…」
グイっと今度はあげはが
杏寿郎の腕を掴んで
「いや、俺はいい。
君は呆れてるんだろう?
その、俺が少年達に…警戒してると…」
「炭治郎君達は、弟みたいなもんですよ。
そんなんじゃありませんから、
杏寿郎は変な心配し過ぎです。
そんな心配しなくても、私は杏寿郎ので、
杏寿郎は私のでしたでしょ?」
じゃあ 行きましょうと
そのまま引っ張られて
竈門少年達が使っている離れに
二人で向かう羽目になってしまった