第27章 あの人の声と音の波に重ねる呼吸を
「それが、早すぎるか否かは、
俺が状況を判断して、切り替えながら
調整すればいいだけの事。
俺の言わんとしている事は、君ならば、
見て居れば分かるだろう。違うか?」
私の答えが意に反していた様で
やや早口で彼がこちらに返して来て
「今の言葉で分かりましたから、
いいですよ。貴方の考えも理解して、
その上で、私は言った
つもりだったんですけど?」
じっとりとした視線を杏寿郎が
あげはに口出し無用と言いたげに
向けて来たので
「なら、口を出さずとも…とでも
言いたそうな顔ですね。ああ、もう。
何も言いませんから、どうぞ?」
「よし、なら、少年達始めるか?」
私の返答を聞いて
もういつもの口調に戻っていて
あんな風に杏寿郎は言ってるけど
この稽古はかなり 状況の判断と
素早い思考の
切り替えを強要する稽古だな
もうちょっと 段階的に
稽古のレベルを調整したげたらいいのに
彼の継子は続かないって噂は
本当だったんだな
いきなりこんな
高度な物を求められたら
継子の方からすれば 堪ったもんじゃない
私だったら こんな師範は…
ちょっと 嫌だな
まぁ確かに…
実践即戦力を養うと考えれば
かなり荒い方法だが有用であろうけども
まぁ その辺りを
バランス見ながら調整すると
本人が言ってたから
私はその辺りを…見せて頂く事にしようっと
もし それが 不十分だと思ったら
自分が介入すればいいだけの事だし
「始めっ!」
煉獄さんの合図で
敵と味方にある相手が
コロコロ変わる
それだけでも 混乱するのに
「攻撃箇所、腕のみ!」
その上に 一度一度で
違う条件を付けられる
攻撃の可能な場所を制限されたり
逆に
攻撃してはならない場所を制限されたり
「腕・胸部・頭部攻撃禁止っ!!」
使える型の制限されるなんてのもだ
一度に二つの命令が来る時もある
どの命令が生きているのか
さっきまでの 命令と混じってしまって
頭が混乱しそうだ